物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者の取組に関するガイドライン
1.発荷主事業者・着荷主事業者に共通する取り組み事項
(1)実施が必要な事項
■物流業務の効率化・合理化
①荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間の把握
発荷主事業者と物流事業者との連携のもと、配車計画に基づき、出荷に係る荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間を把握します。
②荷待ち・荷役作業等時間2時間以内ルール
トラックへの積み込みを、パレット積み付け荷物をフォークリフト等による積込や製品管理ストレージ等を活用し効率的な積み込みを実施することにより、荷待ち、荷役作業等にかかる時間を削減します。
また、物流事業者が貨物自動車運送事業法等の関係法令及び法令に基づく命令を遵守して事業を遂行することができるよう、必要な配慮を行います。
③物流管理統括者の選定
物流の適正化・生産性向上の取組を事業者内において総合的に実施するため、物流業務の実施を統括管理する者(役員等)を選任します。
物流管理者統括者は、物流の適正化・生産性向上に向けた取組の責任者として、物流業務の管理を行います。
④物流の改善提案と協力
発荷主事業者・着荷主事業者の商取引において物流に過度な負担をかけているものがないか検討し、改善します。
■運送契約の適正化
⑤運送契約の書面化
運送契約は、書面にて行います。
⑥運賃等の契約について
発荷主事業者と物流事業者と協議して対応を図ります。
⑦下請取引の適正化
運送契約の相手方の物流事業者に対し、下請に出す場合、特段の事業なく多重下請による運送が発生しないよう留意します。
■輸送・荷役作業等の安全の確保
⑧輸送異常時等の運行の中止・中断等
地震等災害が発生した際やその発生が見込まれる際には、物流事業者と協議し無理な運転依頼を行いません。また、運転者等の安全を確保するため、運行の中止・中断等が必要と物流事業者が判断した場合は、その判断を尊重します。
(2)実施することが推奨される事項
■物流業務の効率化・合理化
発荷主事業者として、物流事業者と、当日の配車計画に基づき、選果・荷造り等の計画を事前に十分協議し、長時間の荷待ち時間削減を目指します。
①予約受付システムの導入
予約受付システムについては、予約業務負荷の増大にならないよう、導入の目的を明確にし、発荷主事業者と物流事業者双方が協議し、導入を検討します。
②パレット等の活用
パレット等を活用し、荷待ち時間・荷役時間等削減を目指します。 取引先や物流事業者からパレット等の活用について提案があった場合には、協議に応じ、積極的なパレット等の活用を検討します。
③入出荷業務の効率化に資する機材等の配置
トラック等において、荷待ち時間が発生しないよう、適正なフォークリフト台数、作業員等を物流事業者と協議し配置します。また、入出荷作業の効率化を図るため自動化・機械化の導入を検討します。
④検品の効率化・検品水準の適正化
青果物の検品等については、効率的な検品に努めます。
⑤物流システムや資機材(パレット等)の標準化
パレットの活用にあたり、「青果物流通標準化ガイドライン」に基づき、平面サイズ1,100mm×1,100mmのパレットの導入を検討します。
⑥輸送方法・輸送場所の変更による輸送距離の短縮
発荷主事業者と物流事業と協議し、輸送手段としてJR貨物や船舶等利用によるモーダルシフトを導入し、着荷主事業者と連携した輸送方法に取り組みます。
⑦共同輸配送の推進等による積載率の向上
青果物の輸送単位が小さい場合には、他の荷主事業者や物流事業者と連携して積合わせ輸送を実施し、積載率の向上を目指します。
■運送契約の適正化
⑧物流事業者との協議
運賃等運送契約の条件に関して、物流事業者に対して協議の場を設けます。
⑨高速道路の利用
物流事業者から高速道路の利用と料金の負担について相談があった場合は、協議に応じ、高速道路の利用に係る費用については、双方協議して対応します。
⑩運送契約の相手方の選定
契約する物流事業者を選定する場合には、関係法令の遵守状況を考慮するとともに、働き方改革や輸送の安全性の向上等に取り組む物流事業者を選定します。
■輸送・荷役作業等の安全の確保
⑪荷役作業時の安全対策
荷役作業を行う場合には、労働災害の発生を防止するため、安全な作業手順の明示、安全通路の確保、足場の設置等の対策を講じるとともに、事故が発生した場合の損害賠償責任を明確化します。
2.発荷主事業としての取組事項
(1)実施が必要な事項
■物流業務の効率化・合理化
①出荷に合わせた選果等
出荷先を考慮した選果計画、配車計画により荷待ち時間・荷役時間の短縮を目指します。
②運送を考慮した出荷予定時刻の設定
トラック運転手が輸送先まで適切に休憩を取りつつ運行することが可能なスケジュールが組めるよう物流事業者と連携して計画的な運行となるよう取り組みます。
(2)実施することが推奨される事項
■物流業務の効率化・合理化
①出荷情報等の事前提供
青果物の計画的な輸送を行うため、出荷情報を早期に提供し、物流事業者や着荷主事業者の発送・受入体制を確保する。また、仕向先出荷計画書を出荷の前日以前に連絡出来るよう努めます。
②物流コストの可視化
着荷主事業者との商取引において、物流効率に配慮した着荷主の発注を促します。
③発荷主事業者側の施設の改善
荷待ち・荷役作業等の時間削減に資するよう、選果場等物流施設の荷物置場の確保やパレット出荷対応等必要な改善に取り組みます。
④混雑時を避けた出荷
物流事業者と連携して対応します。
⑤発送量の適正化
着荷主事業者との連携による計画的な受発注及び物流事業者との連携のもと計画的な出荷・輸送に努めます。